リスク抑制型のバランス型ファンドが増えているらしいが・・・

相場下落時に現金比率を高め、相場上昇時にリスク資産を増やす

5/28の日本経済新聞に「分散投資 実力に差」と題して、NISA開始以降、長期投資をにらんだバランス型の投資信託が増えてきているという記事がありました。

中でも、最近は比率変動型の投資信託が増えているとのことです。特に、「リスク抑制型」といって値下がりをできるだけ回避するファンドが人気を集めているそうです。

仕組みとしては、数ヶ月に一度「下値目安値」(その地点の基準価格より数%低い水準)を設定し、値下がりをその水準までにとどめる運用を目指します。基準価格が下値目安値に近づくとリスク資産を売却して現金比率を高め、逆に相場が上昇している時はリスク資産の比率を高めて値上がりを追求します。NISAの利用者などは安定的な成果を望む方も多いらしく、その需要を狙ってこのような投資信託が生まれており、損が嫌いな投資初心者向けとして注目されていると書かれていました。

リスク抑制型の欠点

一見、投資初心者には投資しやすく良さそうな投資信託に思えますがちょっと待ってください!

これらの投資信託には欠点があります。

まずリスクを抑制すればするほど上げ幅も抑制されるということです。基準価格が下値目安値を割らないような運用を目指すということは、常に資産の一部を現金で運用することとなります。特に下値目安値に近づくと大半が現金運用となります。現金での保有が多ければ多いほど上昇時の上げ幅は小さくなります。

また、運用コストが高いという点があります。下値目安値があるため、どうしても資産の配分調整の回数が多くならざるを得ません。その分の売買コストや人件費などが多めにかかってしまうため、信託報酬は通常のインデックスファンドより遥かに割高となってしまうのです。

例えば、三井住友信託銀行のリスク抑制型投信「コア投資戦略ファンド(安定型)(愛称:コアラップ(安定型))」は、国内外の株式や債券などに長期分散投資をするファンドですが、信託報酬は1.4904%と高めです。同様に国内外の株式や債券に分散する通常のインデックスファンドである「世界経済インデックスファンド」の信託報酬は0.54%ですから、やはりリスク抑制型投信は割高といえます。

信託報酬が高くて値動きが抑えられるというのは、いってみれば手数料負けする可能性が高いということです。値動きが抑えられている分、相対的に、全体の値動きに対して手数料が占める比率が高まることになるからです。リスく抑制型と聞くと聞こえはよいかもしれませんが、しっかり中身を吟味して投資信託を選んでいきたいですね。

コア投資戦略ファンド(安定型)の基準価格の推移
コア投資戦略ファンド(安定型)
(画像は2014/4/30のコア投資戦略ファンド(安定型)運用報告書1ページから引用)



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