経済活性化には高齢者から若年者への資産移転が必要!

高齢者層に偏った日本の金融資産

ここの所の日本経済は長く暗いトンネルの先に一筋の光が見えてきたという感じがします。

輸出企業を中心として企業業績が回復し、日経平均株価も一時ITバブルの時を越えて18年ぶりの高値を付けました。

ただしこれからも日本経済が長期的な成長を持続させていくためには個人消費の増加が絶対に欠かせません。個人消費の増加には給与所得の向上や安定した仕事などももちろん大切ですが、もう一つ大切な視点があります。高齢者から若年者への資産移転を進めることです。

以下のグラフは日本の金融資産の年代別の保有状況です。


年代別金融資産

(総務省2013年家計調査より)



実は、日本の金融資産の70%近くを60歳代以上が所有しているのです。そして、40歳未満が持つ金融資産はわずか4.8%しかありません。確かにこれまで頑張って働いてきた高齢者の方々が多くの資産を持つのは当然かもしれませんが、この極端なまでの偏りは個人消費の活性化という面でみると大きなマイナスです。

高齢者層に比べて若年者層は消費意欲が旺盛です。欲しいものが沢山あるにも関わらずに消費を我慢している若者は多いのではないでしょうか。またお金がないために結婚を諦めたり、子供を産むのを控えてしまったりする若者も多く、若年者層にお金がないことは少子化問題の一因ともなっています。

さらに問題なのは、日本の全金融資産のうちの53%が銀行の預金に眠ってしまっているということです。金融資産の多くを高齢者層が保有し、その多くが銀行の預金に眠っているというのは世界的にみても異常なことで、この構造がお金の停滞を産み出し、経済成長に大きな悪影響を与えているのです。(正確にいうと預けられた預金は主に国債で運用されていますので、皮肉にも国民が多くのお金を預金に眠らせていたことによって日本国政府の豊満財政を許し、財政悪化が進んでしまったことになります。)

教育資金や住宅資金の贈与非課税制度

国も高齢者層から若年者層への資産移転を促す政策を打ち出してきています、

まず教育資金贈与の非課税制度。子供や孫に教育資金を一括贈与した場合、一人あたり1500万円までが非課税になる制度が2018年度末まで延長されています。ただし、あくまで入学資金などの教育関係での使用に限り、30歳までに使い切れなかった場合にはその分を通常の贈与とみなされてしまいます。

また住宅資金贈与の非課税制度も拡充されています。平成27年12月までは1500万円、平成28年からは1200万円までの住宅資金贈与が非課税です。また、消費税10%時に住宅を購入すると最大3000万円まで非課税枠が拡大されます。

普段お金をほとんど使わない高齢者も、子供や孫のためならと大きなお金を使うのです。現に教育資金贈与非課税制度は制度開始2年で贈与総額が8000億円を超えています。

若年者層への資金の移転を促す制度としては良いスタートが切れたのではないでしょうか。

2016年ジュニアNISAがスタート

2016年より、ジュニアNISAが始まります。

ジュニアNISAは未成年がNISA口座を作れる制度で、基本的には親権者が管理運用し、年間80万円までの運用利益が非課税となります。子供が20歳になると、ジュニアNISAから通常のNISAに資金を移すことができ、そこからは子供の手によって管理運用されます。ただしジュニアNISAは子供が18歳になるまでは基本的に払い出しはできません。

この制度の利点は、若い世代への資産移転はもちろん、20歳という若い時期から資産運用の勉強ができることにもあります。若い時期からお金に関する知識を身につけることは長期的な資産運用をしていくうえで大きなメリットです。

格差拡大という課題もあるが!

大きく拡充されつつある高齢者層から若年者層への資産移転ですが課題がないわけではありません。一番の課題としてあげられるのは格差の拡大でしょうか。

資産移転は基本的に子供や孫に行われますので、親が多くの資産を持つ子供と、親がほとんど資産をもたない子供では20代、30代の時点で大きな資産格差が生じる可能性があります。ジュニアNISAで毎年80万円を積み立ててもらっていた場合、20年間の積立額は1600万円にのぼります。さらに住宅購入資金の贈与などがあると、数千万円の差が生じます。

格差をどこまで許容するのかを議論するのは難しいですが、私は資本主義社会においてある程度の格差は仕方がないと思いますし、それよりも高齢者から若年者への資産移転を進めるべきだと考えます。

課題もありますが、高齢者から若年者への資産移転を進めて、若年層の方々が消費や結婚、子育てなどをお金を使っていくようにしていかなければいけないのではないでしょうか。



いつも応援いただきありがとうございます!



サブコンテンツ

このページの先頭へ